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籾糠山(もみぬかやま)・三方崩山(さんぽうくずれやま)

日程 2005年6月4日〜5日
地域・山域 岐阜県
形態 ハイキング
メンバー 清岡、吉田、伊藤、左海
報告 左海

ルート/タイム

6/4 天生峠駐車場(11:37)―籾糠山山頂(14:15)―下山(16:00)
6/5 林道駐車地点(7:20)―三方崩山山頂(11:00/30)―下山(14:25)

6月4日(土)

6月1日に冬季閉鎖を解かれたばかりのR360を走って天生峠に着く。三角屋根の休憩舎やトイレが立つ広々とした駐車場は感じがよく、今夜のテン場と決めて出発する。天生湿原(=高層湿原)の縁を通って太いブナの目立つ道を少し下ると水芭蕉とリュウキンカの咲く湿地に出る。思わず声が上がる。

天生高層湿原の水芭蕉の群生

その先の小さな流れを渡った樹林の下の平地はサンカヨウとニリンソウの絨毯である。どれくらい此処で生きてきたのか桂の老大木がある。その植生の豊かさに興奮してしまう。

籾糠山への登山道のカツラの大木の
周りに群生するサンカヨウ(メギ科)の花

天生渓谷の道をとってすぐに右へ小さな川を横切って水芭蕉の群生地へ行く道がある。10分足らず小径をたどってぽっかり開いた空間に息を呑んだ。 深い樹林に抱かれた湿地に無数の咲きそめの白。広すぎず狭すぎずほど良い広さの湿地は端整な美しさと静謐をたたえて人を圧倒する。20人近いハイカ−が無言で見つめている姿が印象的であった。水芭蕉の群生地から少し戻り沢を越えて山頂から北に延びている尾根に取り付く。頂からは猿が馬場山が目前に横たわって白山は見えない。帰路は天生渓谷をくだる。花の山である。ツバメオモト、ミツバオ−レン、ザゼンソウ、キクザキイチゲ、ヒメイチゲ、ミヤマカタバミ、キヌガサソウ、etc、この自然が後世に残されることを願わずにはいられない。下山後早い夕食にかかる。牛ロ−スを焼いて彩り豊かなサラダとあわせる肉サラダに定番の豚キムチ、豪華版だ。大いに飲んで食べて英気を養う。

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6月5日(日)

相当な悪路を吉田車のがんばりで林道終点の少し手前まで入る。おかげさまで高度計は800mをさしている。今日の上りは1260mかなどと計算しながら登山路に入る。草の繁ったガラガラ道から次第に樹相が良くなって、ナラやトチが目立ってくる。道は支尾根に出て方向を変え見事なブナ林の中を縫っていく。感嘆の中“ここは白神山地”と清岡氏の冗談が飛ぶ。

三方崩山のブナ林

出発して1時間10分、標高1300m付近で1回目の休憩をとる。500mを稼いでちょっと心が軽くなる。小休止の後に待ち構えていたのは高低差200mの設置ロ−プが続く急登である。ひたすら登り続ける。1630mあたりで左前方に大きな崩壊地が現れその奥に目指す三方崩れが姿をあらわす。そして登山路はがらりと様相を変えて両側が崩落したやせ尾根となる。次々と立ちはだかるように現れる小ピ−クとそれをつなぐ馬の背。天気がよければ、振り返ると御岳、北アルプスの展望だが生憎のガスで何も見えない。

三方崩山の頂上手前のやせ尾根

最後は残雪を少し踏んでピ−クに到着する。枝越しに別山を見つつ大休止をとり、後から到着したパ−ティと交代するように下山する。下山時はここでと楽しみにしていた中腹のブナ林で長めの小休止を取る。20〜30mはあるかと思われるその高さにあらためて驚く。ブナ林から享ける安らぎは森とともに生きていた頃の記憶が呼び覚まされるからだろうか。計画当初より標高差は200mほどは短くなったが快調なペ−スの登降で全員脚力いまだ衰えずの感。それぞれの夏山に向けてのいいトレ−ニングとなった。

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