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小太郎岩

日程 2007年7月1日
地域・山域 香落渓
形態 岩登り
メンバー 佐々木、岡本
報告 佐々木

7月1日(日)

三重県名張市の山里深くに桜のきれいな青蓮寺ダムがある。
その上流は香落渓(かうちたに)とよばれ巨大な柱状節理の断崖や絶壁がいたるところにみられ谷のなかを縫うように走るルートは素敵なドライブコースともなっている。
青蓮川沿いの断崖・絶壁には往年のクライマーたちが挑み続けた幾つものラインが引かれている。
その中でも人工登攀ではもっとも人気が高くそれなりの難度を持つルートが小太郎岩である。

今年もやって来ました小太郎岩。
いつものようにで〜〜んと我々の前に立ちはだかる。
9時半登攀開始。
今回は難度の高い1&3ピッチのリードをやらせてもらった。
小太郎岩は下部と上部の岩壁に分かれそれぞれが2ピッチずつある。
下部は樹木に囲まれ雰囲気は暗いが私はそのしっとり感が好きである。
途中で二カ所の乗り越しがあるがそれほど問題ではない。
ただしピンが遠くほとんどがアブミの最上段に乗り込む。
女性は苦労するだろうな。
曇り空で陽が差さないので助かるが湿度が高く滝のように汗が流れる。
下部の1・2ピッチを問題なくクリアーしいよいよ核心のライオン岩の鼻(二段ハング)越えである。
気合いを入れてルートを見上げる。すごい威圧感である。
失敗すれば空中に放り出されるので登攀を続行することは極めて難しくなる。 行くのか!それとも・・・・・交代を頼むか・・・・・・・
頼むならなら今しかないぞ。
ハングを見上げながら葛藤が続く。
去年は自力で鼻を越えられず悔しい思いをした。
今年はリードなので誰も助けてはくれない。
一瞬悩みながらも「今日はこの二段ハングに挑戦するために来たのではないか!」と自らを励ます。
「ヨッシャ!」かけ声一発でライオン岩の鼻に挑む。
まず一段ハング。
途中でルートを間違えそうになり冷や汗。そういえば去年も間違えたんだ。
去年の豪雨の中での登攀が思い出される。
順調である。
詰まりかけても解決の手順がすぐに湧いてくる。
思った以上に冷静である。調子もいい。
いよいよ核心ライオン岩の鼻越え。
空中に体をあずけ鼻の上のピンをとる!
スッと体が乗り越えていく。
去年は79kg
今年は73kg
やっぱ体重やったんかなぁ・・・・・。
鼻を越えて4ピンあがってから第3ピッチ終了のハンギングビレー。
垂壁の途中にぶら下がってビレーをする。
下から見るとなんということはないが足下はアブミにかけてブラさがっている。
このままでほぼ30〜40分間ビレーをするのである。
けっこう腰にくる。
写真で見ればちょうどライオン岩のこのあたりになる。
下の道から時折ライダーたちの爆音が響いていた。3ピッチで私の大きな役目は終わった。
充実感で体がはじけそうである。
1時半終了点到着。3時間50分そんなもんかな。
最後は40mの空中懸垂である。
慎重に命を預ける支点をつくる。
40mの空中懸垂
先に降りた岡本さんのヘルメットが米粒のように見える。
最後のご褒美、空中散歩・・・・

そびえ立つ小太郎岩

小太郎岩下部 いよいよ登攀

一段目の乗り越し

二段目の乗り越し

ライオン岩を見上げる

第一ハングにトライ

第2ハングにトライ

鼻を越える

第3ビレー点はハンギングビレー

鼻を越えてのビレー点

終了点 慎重に懸垂支点をつくる

懸垂開始

先行した岡本氏のヘルメットが米粒のよう

最後のご褒美 40m懸垂下降


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