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奥穂高岳・南稜

日程 2005年5月3日(前夜発)〜5日
地域・山域 北アルプス
メンバー 福本ひ、米原、佐々木、宮西
報告 宮西

5月4日(水)

岳沢連続3年目ではじめて快晴の山行に恵まれる。 雪は例年より少ない。
5月4日4時20分岳沢小屋発、夜明けの中を滝沢大滝へ。
昨日佐々木さんが偵察して下さっていたので、大滝下のクレバスを巻き南稜末端からスムーズに取り付く。

トリコニーを目指す

安全にヨーロッパスタイルということでここでアンザイレン。 我々がトップだったが、後発パーティがソロで尾根組、扇沢直上組と我々を抜いて行き先発グループの後ろになる。岩とハイマツ帯のミックスを抜け、トリコニーT峰の基部に着く。

トリコニー

T峰は2級のアイゼンクライミングで最後のピナクルはスタッカットで行く。 ピナクル直下で左へ回り込むところをピナクルに登ったことだけがルートと違うが、みんなもここで間違っているらしく残置シュリンゲがあった。これを抜けるとたやすくU峰へ。 U峰の途中で右へ曲がり大きな雪洞前で小休止する。 やっと展望を楽しめるところまででてくる。 上高地が眼下に広がり、また天気は素晴らしい。

U峰を登り終えて

U峰、バックは明神岳

V峰は登らず雪壁を南稜の頭めざしひたすら登ると、10時半に頭に着いてしまった。
見渡すと360度の展望で、槍、西穂、奥穂など北アルプスの山々とこれから行く吊り尾根が手に取るように見える。
アンザイレンしながらも思いがけず早いので今日中に帰れるかもしれないとひそかに思う。
ところが、ここからの吊り尾根が長くてまた危険。 頭からの下降は急な雪壁で、それを越えると岩とのミックス、長い雪壁のトラバースと気の緩む暇がない。

 

南稜の頭

吊り尾根を前穂へ

吊り尾根から槍ヶ岳を望む

みんなも疲れてきて、今日帰るのはあきらめの境地となってきた。 前穂の頂上を踏み紀美子平へ着くと14時だった。
幸いにも奥明神沢に多くのトレースが付いてあり、腐った雪を急降下しながらはやばやと小屋に到着した。 佐々木さんはさすがに早く、はるか下に姿が見えなくなった。岳沢には2時40分から3時15分にそれぞれ帰り着いた。
2年前のコブ尾根は悪天。 腐った雪のラッセル、ルートファインディング、ビバークまでして大変だったが、今回は天候に恵まれ、ルートにはトレースがあり、急な雪壁もバケツ状態で、折角持っていったスノーバーも使わずじまいであった。

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