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イブキー谷

日程 2005年8月17日(前夜発)〜19日
地域・山域 大峰
形態 沢登り
メンバー 福本た、谷川、徳野
報告 徳野

8月17日(水)

大峰のイブキー谷は、35年ほど前に地獄谷からカラハッソウ谷を遡行した時に少し覗いて、機会が有れば入りたいと思い続けて入る機会が無く、谷川さんに相談すると行きましようと言う事で、2人の予定だったけど福本さんも行きたい、と言う事で、時間が掛かるけど3人で行く事にした。
前夜奈良地方は大雨洪水注意報が出ていて、少しためらったが、篠原に着く頃には雨も止みだして、車の中で寝る。6時過ぎに湯の叉を出て7時過ぎに桶川の滝の右岸を巻いたが、草付のトラバースからブッシュ登りでシュリンゲを余り持たずに行ったので、8mほど支点を取らずで、少し怖かった。8時過ぎに桶川の滝の落ち口で休息する。イブキーの出合は10時頃に着いて、幸先は良いなと思ったけど少し入ったら20mの滝で、泳げばチムニーの横が難しそうだけど登れそう。泳ぐのをためらって左岸を巻くが上へ押し上げられ結局ピークへ出る。(結果的には泳げば良かった)
少し下ってやさしいルンゼを下って谷へ出たら河原だった。しばらくゴーローを歩くと大きな釜を持った10mの斜滝で、泳ぐか巻くか、巻けばかなりの時間を食うので、泳いで滝を越えて行くと次の滝は右岸が厳しそうと思っていたら記録でトンネルと思い出し胸まで使って左岸のトンネルをくぐって滝を乗り越した。
それから左へ折れて15〜20m程度の滝が出てきて簡単に登れそう。右を巻こうかと考えていると雨が凄く降り出したが谷川さんが登りたいと言うのでカムを渡して登ってもらったが、ビレー中雨に打たれて寒かった。滝を越してからロープがなかなか出ないので、登って判ったけどそこは5mの釜をもった滝で、トラバースで落ち口へ出れるが、一歩がツルツルで微妙なので、ハーケンが入らないか探すが厚みが合わず落ちても釜の中なので、仕方なく行ってみたがなんとかクリヤーした。谷川さんはそこで落ちて滝つぼへ、靴底が硬いので、滑に乗れなかったのだろう。
しばらくイブキーを観てゴーロを歩くと樋状の30m以上の滝で見とれる。正面の右に在るルンゼを登り、尾根に乗りこせそうな場所があって行こうというが、もっと上へ行こうと言うことで(間違いの元)上へ登るが、乗り越せそうな場所がなかなかでずかなり上へ登って乗り越したら昔の良い仕事道へ出たゴルジュが切れる地点付近で谷へ下り懸垂15mでゴルジュの出口へ降りるが50mほど尾根を進めば歩いて降りられた。
後はゴーロの歩きで、右岸から8mの滝を観て進むが伏流となって水がなくなり暗くなりかけて水も無く泊まるわけもいかず水を求めて歩いたら暗くなってヘッドランプ頼りに水のある地点に出る。タープを張って、雷雨の中ビールを飲んでから食事をする。夜遅くに雨も止んだので、焚き火をして衣類を乾かして就寝する。

 

 

 

 


 

 

 

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8月18日(木)

疲れが激しいので、遅いけど8時過ぎの出発とした。朝起きるとその場所は黒滝の下だった。
少し登りブッシュの地点でアンザイレンした。岩のリッジの場所で、ブッシュを取り損ねて谷川さんが3m滑落したが、怪我も無く安心。そこから右の急なブッシュ帯に入って垂直のチョクストーンをやり過ごして、緩傾斜の草付を30m登り最後の登り地点まで行くと腐りかけている残置ハーケンが在った。谷川さんが、疲れたのでトップを行ってと言うので代わる。ハーケンとカムをセットしながら登るが、被った岩の下が、土の斜面で滑ってマントルで乗り越せなくアイスハンマーを打ち込んでも抜けるので、かなりの泥土を落として何とか乗り越した。そこでビレーをして、最後は快適そうな岩で、頑張った谷川さんに任すが、難しそうだった。
登りきったら黒滝の落ち口で、時間を見たら15時で、やばいなぁと思いながら尾根を登るが、スピードがでず尾根を行っても帰れそうも無いので、少しでも可能性のある夫婦グエを下るが途中から凄いゴルジュの中に入ってしまって、懸垂などを交えて下るが暗くなってしまい、危険なので滝と滝の間でビバークをする。

黒滝

 

 

8月19日(金)

朝一から懸垂で、谷へ下ってからカラハッソウ谷の出合に出て谷を下り見当をつけて尾根を登ると8時頃に飯場跡に出て後は林道を下り10時頃車へ帰った。イブキーは巻くのも厳しくロープが必要だった。途中からのエスケープも難しいのではと思います。滝登りなどを除けば、今まで行った谷と比較すると比べ物にならないほど峻険な谷で、大峰にもこんな谷が在ったのかと嬉しい反面一日余分に食ったのが、シャクだった。夫婦グエは友達に聞くともっと左寄りを下ればロープ無しで2時間で下ったそうな。

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