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剣岳・チンネ左稜線

日程 2005年8月6日(前夜発)〜8日
地域・山域 北アルプス
形態 アルパインクライミング
メンバー 福本ひ、宮西、米原
報告 米原

ルート/タイム

8/6 室堂(8:00)―別山乗越(10:00)―前剣(13:30)―剣岳ピーク(15:20)―幕営地(15:40)
8/7 幕営地(5:00)―池ノ谷乗越(6:30)―三ノ窓(7:10)―登攀開始(7:40)―登攀終了(13:30)―
幕営地(15:30/55)―剣山荘(19 :45)
8/8 剣山荘(7:20)―雷鳥沢(9:50)―室堂(10:30)

8月6日(土)

2002年の夏のりべンジということで再度チンネに向かった。
室堂で登山届けをセンターに出すと今年の雪渓は状態が良くないとのこと。前回はアイゼンの不備と雪渓状態の悪さで断念した。そのため今回はピークを越えて確実に三ノ窓へ行くコースを選んだ。全装備と幕営用の水がプラスされ睡眠不足の体には厳しく予想より時間を要した。途中、富山県の山岳警備隊の方から雷の恐れがあるので、なるべく低い所(三ノ窓か熊の岩)で幕営するよう指導された。しかし体の疲れと雪渓の真横にある理想的な場所を見つけ、ピークからはかなり近い場所で幕営することになった。宮西さんが担ぎあげたビールは雪渓でほど良く冷えて最高においしかった。7時にシュラフに入るが目がさえて寝付けずにいると突然目の前が光り雷雨が始まった。(テントに入る前に一応、金属類は離れた所に置いていた)あまりの怖さに頭まですっぽりシュラフをかぶり落ちないことをひたすら祈っていた。小1時間位続き9時頃にやっと眠りについた。

剣本峰へ向かう

テント場から


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8月7日(日)

3時に起床し、さっさと朝食をすませ必要な装備のみを持って出発した。昨夜の雨でテントはすっかり濡れていた。稜線上は所々赤テープが着いており目印に歩いた。下を見ると熊の岩にテントが張っているのが見えた。不安定なガレ場の池ノ谷ガリーを下ると三ノ窓に着き、目の前にチンネが現われた。まじまじと眺めて写真におさめた。左稜線の取り付きを見ると5人位の人がおり、そのうちの1人が登り始めていた。雪渓を慎重にトラバースして取り付きに到着した。前のパーティは大学生の2人で、この日は私達を入れて3パーティだけだった。福本さんと交代でリードしながら順調にザイルを伸ばしていく。大学生はアルパインは初めてということで慣れていないせいもあり時間がかかっていた。核心部はシュリンゲが掛かっており迷いもなくA0 してしまった。登攀中は曇り空でガスもかかり展望は望めなかった。終了点で大学生たちと挨拶を交わし幕営地へ急いだ。次第に天候があやしくなりテント場では少し雨が落ちてきた。テントを撤収し雨具を着て出発した。剣岳からの下りの鎖場のあたりで雨脚も強くなり雷も鳴り出した。 あまりのひどさと雷を心配してザックを離れた所に置き、岩陰に避難した。少し待つと小雨になったので出発したが雨で岩は滑りやすく慎重に下った。短時間でも全身ずぶ濡れでウエアも濡れていた。しかし、さっきの天気が嘘のように西の空が明るくなり虹まで出ていた。雷雨のアクシデントと慎重な下山により日が暮れかけてきた。行動時間も12時間を越え、疲労の色が濃くなっていた。ヘッドランプを着けて歩いていると剣山荘の明かりが見えた。剣沢がやけに遠くに見え、相談の末、今日の目的地を剣山荘に変更した。満室であったが布団部屋ならと3人で結構広い布団部屋を貸しきった。21時の消灯時間までに急いで夕食をすませ、ちょっと重い布団だったが快適な夜を過ごすことができた。

三ノ窓からのチンネ左稜線

雷雨後の虹


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8月8日(月)

いいお天気に恵まれ、高山植物を眺めながら室堂に向かった。今回の山行の感想を一言で言えば、「チンネは遠かった!」です。(雷も恐かったけど・・・)

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