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広河原沢3ルンゼ & クリスマスルンゼ

日程 2006年12月23日(前夜発)〜24日
地域・山域 八ヶ岳
形態 アイスクライミング
メンバー 福本た、佐々木、岡本、木村(無所属)
報告 岡本

ルート/タイム

12/23 舟山十字路―広河原沢左俣出合―3ルンゼ―阿弥陀岳南稜P3―青ナギ―本谷―左俣出合
12/24 左俣出合―右俣クリスマスルンゼ―左俣出合―舟山十字路―帰奈

12月23日(土)

22日夜、天理を出発。中央道諏訪湖SAで仮眠を取る。
朝明るくなった頃出発し約1時間で舟山十字路の到着する。既にかなりの数の車が停まっている。
今日はアルパインアイス入門と言われる広河原沢3ルンゼへ向かう。以前はこのまま林道終点近くまで車で入ることが出来たが、今は立派なゲートができているのでここから歩くことになる。
10年ほども前になるが、舟山十字路まで車で入り、広河原沢3ルンゼから行者小屋へ抜け、翌日ジョーゴ沢で遊んだあと美濃戸口から舟山十字路へ歩いて車を回収に向かう際、丸山別荘地の中を彷徨った時のことを思い出す。
ここまで林道にも周辺の林にも積雪は全く見られない。ネット上で前週にアイスクライミングに入ったパーティーの記録も確認したが、気温も結構高いようで氷は本当にあるのか?
準備を済ませ8時頃に出発、林道を歩き始め約1時間で広河原沢の左俣出合着、ここにテントを張る。沢筋に水の流れはなく周辺に積雪は少なく今夜は水に確保に苦労しそうだ。既に数張りのテントをありそれぞれ目的のルートへと向かって行った。
10時頃にテント場を出発し本谷を行く。1時間で右俣との出合に着き休憩、アイゼンをつける。ここまでの間、そばを水が流れるテントサイト適地が何箇所かあり、ここまでテントを上げればよかったかな。
途中数パーティーに出会うがほとんどは右俣へ入っていった。我々はこのまま本谷から3ルンゼを詰める。後ろの4人パーティーも3ルンゼに入るという。
本谷を行くといくつかの小滝が現れるがロープは出さずに越えていく。3ルンゼ出合までわずかのところで、福本さんは体調が悪いようで佐々木さんと一緒にテントへ戻るという。あとで判ったことだが後ろの4人パーティーも引き返していったようだ。
私と木村君はこのまま3ルンゼへ向かう。出合直前の小滝は薄い氷がわずかに張っているだけで、落ち口付近まで登るとバイルを振るとすぐに岩を叩いてしまい、「ここから落ちると痛いやろなー」と緊張する。
右手からの3ルンゼと出合うあたりまで来ると、正面の1、2ルンゼ出合に立派な垂直の氷柱が見える。
3ルンゼへ入りしばらくで30mの大滝が現れ、ここで初めてロープを結ぶ。大滝とは言っても3段に分かれており下部はナメ状のため高度感はない。難なく大滝を越えるとすぐに二俣となる。
ここまで来れば両岸が明るく開け、眼下には茅野の町が広がっている気持ちのいいところだ。
この先通常は左俣から南稜P4のあたりに抜けることが多いようだが、時間もあまりないので右俣へルートを取る。朝の出発遅過ぎましたね。ここで前方に1パーティーを確認する。
すぐに8mの垂直の氷瀑となるが氷がスカスカで状態が良くないので、さらに右に懸かるナメ状15mの氷瀑を登るが、氷も硬くスクリューもよく決まり大滝よりも快適であった。
この後、氷瀑は無くしばらく行くと16時に南稜P3基部へ出る。風は強かったが、夕日に照らされ赤く染まった阿弥陀岳が美しい。小休止をし南稜を下降している途中、南稜を上がって来たと思われるパーティーが痩せた稜線上の立場川側がスッパリと切れ落ちた場所にトレースを塞ぐ形でテントを張ってあった。
17時に青ナギ、右の斜面を本谷を目指し降りる。本谷の右俣出合のすぐ下に降り立った時には完全日没となる。あとは朝に通ったトレースを辿りテントへと帰り着く。

最初の8m滝

1、2ルンゼ出合の氷瀑

大滝下

3段30mの大滝

大滝上

二俣上のナメ滝

夕日に染まる阿弥陀岳


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12月24日(日)

今日は右俣の支流クリスマスルンゼへ入る。
60mの大滝下へ着くと1パーティーが取り付いているのが見える。
下段をノーロープで上がってから確保点を作る。
中央の凹角部分は先行パーティーが取り付きトップロープを張ろうとしているので、左側の傾斜の強い部分を登ってからトップロープを張り各自2〜3回ずつ練習する。と言っても自分はトップロープオンリーですけどね・・。朝のうちはきれいだった氷も、帰る頃にはかなり破壊してしまった。
途中でガイドとお客さんらしい2人連れが登ってきた。ガイド氏のスタイルはというと、今流行のリーシュレスで、無駄な力の入った様子も無く軽やかな身のこなしはさすがです。自分もあんな風に登れるようになりたいものです。どうもWebで見覚えのある顔だったので声を掛けると、やはり地元でガイド業をされているO氏であった。佐々木さんが共通の知り合いの話などする。世間は・・、山の世界は狭いものですね。
3時頃より撤収を始め、テントへ戻り下山する。途中いつものように樅の湯に立ち寄る。クリスマスイブということもあり、ペンション村は派手な飾り付けのイルミネーションで眩いばかりだ。この日も奈良へ帰ったのは日付が替わってからであった。

60m大滝

 


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