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スイス・ツェルマット

日程 2007年7月9日〜18日
地域・山域 スイス ・ ツェルマット
メンバー 清岡、伊藤、近藤、左海
報告 左海

スイス・ツェルマット紀行

7月9日(月)

9:55 関空を発つ。フランクフルトの荷物検査で少しトラブルものの無事ロ−ザンヌのホテル着が20:30。時差があるため日本時間では27:30だ。長い一日だった。
ロ−ザンヌは冷たい雨が降り、コ−ト姿も目に付く。予期せぬ寒さである。

7月10日(火)

8:20 ロ−ザンヌをたってフィスプ乗換えで11:25ツェルマットへ着く。昨日の雨が山では雪だったらしく車窓から見えるあまり高くない山も白い。無論マッターホルンも真っ白。ブライトホルンの予約に訪れたガイド協会では予定の12日はだめで明日しか空きはないという。
戸惑いを覚えるが決心し、清岡、伊藤、左海3名の予約をしてホテルに戻る。明日に備えて心の準備が大変。足を引っ張ることになってはとプレッシャーがかかる。

7月11日(水) ブライトホルン

7:00 ホテルバーンホフを出てガイドと待ち合わせのロープウェー駅に向かう。雲が重く小雨もぱらつく。ガイドと合流、名前はURS氏48歳と言う。ごつい、いかにも、の風貌である。直ちにゴンドラを乗り継いでクラインマッターホルン展望台に向かう。
強風と季節外れの寒気で新雪をまとった山々と氷河に,4000m超初挑戦の緊張がいや増す。近藤さんを残し8;45いざ出発。スキーリフトの下を離れて東へ、広い緩斜面の雪原を行く。ガスの中で展望はまるでない。登りにかかっていよいよアンザイレン。
高度障害予防のため普段の1.5倍の深い呼吸をと神経を集中する。体調のよくなかった清岡氏が珍しく少し辛そうである。雪はさらさらである。やはりアルプス、妙に感心する。3900mでアイゼンを着ける。
ノーグッドアイゼン!頭を振りながらガイド氏がのたまう。たしかに古い、若い頃使っていたものだ!だが痛んではいない。ここへ来て言わないでよ。腹の中で毒づきながら黙々と装着する。
傾斜がきつくなってくる。細かなコース取りはパーティによって違うが前後して5パーティほどが登っているようだ。覚悟していたほどは苦しくない。少し気が楽になって未知の高さにいることの喜びが沸いてくる。ガイド氏は巻き気味にコースを取っていたがそれでも2ケ所かなり強風にさらされた。思わずぐっと姿勢が低くなる。体積を小さくしてクラストした急斜面を登っていく。
それにしても清岡氏の頑張りの凄さ。強靭な精神力以外の何ものでもない。脱帽である。
稜線に出て暫く不意に先頭の足が止まった。ピークだった。先客は2パーティ。思いがけず赤鬼のガイド氏が強風下での歩行を褒めてくれた。いい人ジャン。
前日、"うわさ"では山頂の気温はー30℃といっていた。そこまではないけれど伊藤さんの一眼レフが動かない。何とか別のカメラで記念撮影をして即下山。下りは直下降だ。
下り終えて雪原にリフトが見える頃には暗紫色だった皆の顔色も戻って一仕事終えた安堵感が漂う。アンザイレンを解くと、ガイド氏は清岡氏の頑張りに敬意を表し一足先に帰っていった。
暫く休んだ後我々もゴンドラの客となる。途中雲が切れて山頂がくっきり現れた。思わず歓声が上がった。

8:45 クラインマッターホルン展望台発
10:15 3900m地点
11:38 山頂
11:48 下山開始
12:10 3900m地点
13:10 クラインマッテーホルン着

7月12日(木) ゴルナグラート

空気はまだひやりとしているが昨日と打って変わって快晴である。ゴルナグラートへのハイキングで足ごしらえも気分も軽い。
ロープウェー駅をひとつ行き過ぎて左折、橋を渡って牧草地から樹林へと入っていく道端には既に花々が満開である。マンテマの仲間が雑草のように生えている。
道はすぐに急なつづらとなってぐんぐん上がっていく。斜面一面のアルペンローゼの群生を抜け 風景を楽しみ、花を楽しみ、歩くことを楽しみながらリッフェルアルプに着く。明るく伸びやかに広がる台地の向こうにマッターホルンが親しみを込めてそびえていた。空はどこまでも蒼い。
リッフェルベルグの駅舎が望める斜面で昼食をとる。スイスアルプスのど真ん中にいるのが不思議な気分になる。ゲンティアナ(竜胆)の鮮烈な青が印象的だ。寄り添うようにビオラ.カルカタラ。パンジーである。日本名でいうミヤコグサ、タマシャジン、ワスレナグサの仲間もそこここにいる。リッフェルベルグを過ぎると四囲が広がる。天上の散歩だ。
リッフェルホルン、リッフェルゼーを過ぎて、ゴルナグラートへの登りにかかる。意外に長い。モンテローザと氷河の迫力に目を奪われながら登り着く。標高差1500mのハイキングだった。満ち足りて40分間の登山電車でツェルマットに戻ってくる。

8:30 ホテル出発
11:45 リッフェルアルプ
12:30〜50 昼食
13:45 リッフェルベルグ
14:35〜50 リッフェルゼー
15:50 ゴルナグラート

7月13日(金) ヘルンリヒュッテ

広い尾根の上にあるシュバルツゼーの駅に降り立つとさすがにマッターホルンが近い。
ほとりに小さな教会が建つシュバルツゼーを過ぎ、穏やかに広がる展望を楽しみながらマッターホルンへの道を辿って行く。ここもまたゲンティアナの青が目を引く。窪地状の原で放牧の羊達がいた。夏の終わりまでこの辺りで草を食べながら過ごすのだろう。
以前は2888mの岩峰は越したらしいが現在は腹にぐるりと金属製のステップが付けられている。だが何箇所か落石でへこんだりずれたりしてひやりとさせられる。そこを過ぎると暫くは楽しいハイキングである。いろんな国のハイカーたちが気楽に言葉を交わしていく。
スタッフェルの分岐を過ぎてヒュッテへの登りにはいる。広大なfurgg氷河をはさんでブライトホルンが鎮まっている。ゴルナグラートに続く線路のうねりが一望できる。壮大だ。
小屋近く雪や凍りついた箇所が現れてちょっと引き締まる。ヒュッテ前は開放感にあふれ賑わっていた。
マッターホルンの取り付きまで行ってみる。数年前登頂を果たした清岡氏は懐かしそうである。"さすが"の壁だ。伊藤さんは小石を拾ってお土産にするとか。2時前、下山にかかる。
ゴンドラの各山上駅は○○パラダイスと名づけられている。パラダイスという言葉に胡散臭さを感じて好きではなかったがこの雄大な山稜にいるとなるほどと肯ける。こんなところにまでリフトや登山電車がとの思いがなくもないが、誰もが大自然に触れられる素晴しさも否定できない。何より大勢の人が足を踏み入れてなお保たれているこの清々しさ。観光立国としてのこの国と、人々の強い意思を感じた。

9:30 シュバルツゼー
12:30〜13:55 ヘルンリヒュッテ
15:50 シュバルツゼー

7月14日(土) サース・フェー

快晴。シュタルデンからバスでサース・フェーに入る。早朝の町を散策した後、ゴンドラとメトロアルペンを乗り継いで3500mのミッテルアラリンにつく。氷河の上の展望台でアラリンホルンが指呼の間である。タッシュホルン、ドームといった銀嶺がすぐそこにある。氷河はスノーボーダーやスキーヤーで賑わっていて、オリンピックで欧州勢が強いはずと納得した。
アイスパビリオンでは氷河の<中>を歩くという貴重な経験もする。ちょっと息苦しく寒かったけれど。

7月15日(日) 予備日

自由行動、買い物

7月16日(月) シャモニー観光

早朝6日間を過ごしたツェルマットをたつ。切妻の素朴で美しい家々と牧草地の美しいこの地方がもう恋しい。昼前シャモニー入り。モンブランと針峰群のコントラストがいい。
立派な教会が開放されていて出入り自由。日本のお寺は如何か。

7月17日(火)

11:10 ジュネーブ発

7月18日(水)

8:15 関空着
素晴しいお天気、素晴しい山、素晴しい旅と仲間に乾杯!!
そしてありがとう!!

ローザンヌ出発の朝

待ち合わせのロープウエー駅

ブライトホルン頂上(余裕のポーズ)

下山の他のパーティ

リッフェルアルプ付近で

草原のアルプで休憩

シュバルツゼーの教会

大きく見えるマッターホルン

取り付き点の壁

ヘルンリヒュッテ前にて

ミッテルアラリンからアラリンホルン

シャモニーにてモンブラン


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バテバテでブライトホルン登頂  (清岡 記)

ロマン湖畔の町、ロザンヌで一泊して目的地ツエルマッツトに7月10日昼前に到着。天候は快方に向かっているものの時雨がきそうで、カッパを着なければならないような生憎の寒い天候でした。
それで、急遽、午後から足慣らしにスネガからウンターロートホルン方面にトレッキングする予定を最終日の日程と入れ替えて街をぶらぶら散策したり山岳博物館を訪れることとしました。
また、ガイドの手配は明日のトレッキング後に山岳ガイド協会に立ち寄り行うことにしていましたが、時間があったのでその日に訪れました。ラッキーなことにその日に協会に行っていなければブライトホルンの登頂は出来なかったのです。というのは、ガイド登山の希望者が多くて、その希望に応じることが出来なくなっているのです。
当初の計画では、時差の影響や体調の準備などを考えて、三日目の13日に4165mのブライトホルンを目指すことにしていました。
いくら交渉して探してもらっても予定日以降にはガイドの手配は出来ないとの返事である。粘りに粘り交渉した結果、明日なら何とかいけそうだとの返事。到着の翌日では足慣らしや体調が万全でないものの仕方がないとの結論で、明日にブライトホルンに登ることに即決。155スイスフラン(約¥16000/一人)を支払い手続きをすませました。(近藤さんは、まだ体調が万全でなくガイドのペースへの不安などのため参加を辞退)
翌日、7:50にガイド(Lerjen Urs 48歳)にマッターホルンエッキスプレスケーブル駅で落合う。我々以外に、日本の中高年の女性4〜5名のパーティもいる。
ガイドから頂上付近はかなりの強風で体感温度は氷点下20度以下になりそうでカッパなどをきて万全の防寒対策をするようにとの指示。また、頂上駅に着くまでにハーネスを装着することも。
途中で二回ケーブルを乗り換えて、一気に3883mクラインマッターホルンの頂上駅に到着。駅舎のトンネルを抜けて雪面にでるとガスが掛かり頂上は見えない。
ガイド、伊藤、左海、清岡の順でザイルを結ぶ。登頂を辞退した近藤さんは頂上付近のスキーゲレンデで適当に時間を潰すことにしたので、彼女に見送られ8:45出発。ガイド協会の書面では登り約2時間、降り約1.5時間とある。
スキーゲレンデのポールやリフトに沿って暫く南の方向に進む。緩やかなダウンスロープである。進行方向を東に変えてからも更にダウンスロープが続く。1時間弱進すんだ辺りからスロープが上がりだす。
そこまではガイドのスピードに違和感はない。しかし、どうも体調がおかしい。発熱する前兆に感じる大腿部の筋肉がけだるい。これから始まる地獄の登高を予期できず、そのうちにエンジンが掛かり本調子になると楽観して進む。いよいよ頂上への緩やかな斜面に差し掛かったところで、アイゼンを装着する(10:15〜10:27)。
体調がおかしいのに加えて高度障害が出てきたようで頭がくらくらしてバランス感覚がおかしくなってきた。アイゼンがうまく装着できない。ガイドの苦言をさんざん聞きながら準備して、いよいよ斜面の歩行を開始。深い所で膝あたりまで新雪がありバランスがとりにくい。気分が悪くなってくる。
その直後、急に、嘔吐がきた。パーティは進行中、歩いている最中、今朝食べたものがゲロゲロと口から勢いよく前方へ飛び出した。数歩進む間に三回襲ってきた。今まで経験したことのない一瞬の出来事であった。すぐ前の左海さんは気づいたようだが、パーティは何事もなかったようにペースをキープして登っていく。
体調不良と高度障害でふらついて新雪の斜面でのバランスがとれなくなっていく。時々、よろけて膝と両手が雪面に突っ込む。ガイドがそのような状態を尻目遣いに観察していたのか、止まり、きつい口調で「降りるか(Going down)?」としきりに問いただす。
「going up(いや、いくよ)」の返事を繰り返す。とうとう、ザイルの順番がガイド、清岡、左海、伊藤に変わる。そうして、「今度もたついたら降ろす」と引導を言い渡される。
それから約一時間ばかりきつい登り斜面が続き、高度を増すにつれてジグザクのルートをとる。そのたびにザイルを右左に変えるのがうまく出来ない。すぐ後ろの左海さんが調子がいいのか間隔を詰めてくる。そのたびにザイルが足に絡まりよろける。
「Keep distance!(間隔を保て!)」のガイドの叱責が飛ぶ。俺の不調で全員が登頂できなくなることだけは絶対に起こすわけには行かない、とふらふらしながらもガイドのペースに無我夢中で歯を食いしばってついていく。自分に鞭打つ意識だけで足を前へ出していたが、ふと気がつくとストックをついている雪面が急に変わりだした。新雪がなくなってきた。アイゼンの着地感がはっきり変わった。やっと、頂上に着いたと実感した。
前方をみるとガスの中に先着パーティが動かず立っているのが微かに見える。ガイドが止まって握手をして抱えるように肩を抱いて背中を叩いてくれた。しかし、そのまま膝をついてうつむいたまま暫く動けなかった。ピーク到着は11:38、約3時間掛かった。
何パーティがいたのか、何が見えたのか全然憶えていない。20分休み水を飲み写真を撮ったことぐらいしか記憶にない。
11:48に下山開始。ガイドが先頭で登る時と逆の順序である。下山はガイドが最後尾であるはずがその逆である。そのせいで、どんどんスピードを上げて進む。途中でアイゼンを外すとき以外は休みなく1時間40分で出発地点のリフト駅に着く。
近藤さんが迎えてくれたが声が出ないほど疲労困憊していた。このようにバテバテのブライトホルンでしたが、メンバーと共にピークを踏めた安堵感は今まで感じたことのない大きいものでした。
今回は、ツエルマッツトに5日間滞在して、晴天に恵まれた山登り、トレッキング三昧を満喫しました。ツエルマットは平成10、11、12年と三年続いたマッタホルンの「お登さん登山」以来の七年ぶりの四回目の訪問になります。しかし、町の様子はその当時とまったくといっていい程変わりはなく、清潔で静かで美しい町であることを再認識しました。
一部、計画の日程の変更はあったものの主要な計画はすべて問題なくやり遂げることが出来ました。マッターホルンの眺めの銀座コース、ゴルナグラートへの標高差1500mのトレッキングは高山植物のオンパレード。そして、殆ど岩肌を見せないほど冠雪したマッターホルンの威容、標高を稼ぐほどに、バテバテしたブライトホルンが目の前に。
さらにポルックス、カストール、リスカムからモンテローザ、秀麗でナイフエッジを思わせる稜線のバイスホルンをはじめ4000メートルの数々の山が手に取るように眺めることが出来ました。翌日には、マッターホルンの取り付き点直下にあるヘルリンヒュッテのテラスから角度を変えてそれらの秀景を再度愛でることができました。そして、サースフェーの鄙びた山岳村からの景観。
いつまでも心に残る思い出いっぱいの旅でした。なんのトラブルや不自由もなく予算もほぼ計画通りに納めることができたのは、日ごろの気の置けない仲間のご協力があってのことだったと感謝しています。

ツエルマット駅前

クラインマッターホルン駅

アイゼンの装着

頂上での疲れた顔

リスカムとモンテーローザーを背景に

サウスフェーの村

テラスからのブライトホルン

宿泊ホテル(バーンホッフ)裏から

朝焼けのマッツターーホルン


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二回目のヨーロッパアルプス  (伊藤 記)

1. 念ずれば花開く・・・

一昨年、初めて憧れのヨーロッパアルプスの綺麗でお洒落な村シャモニー行って、4000mの山二座に登る素晴らしい体験と感動をしました。
この体験と感動が忘れられず、2年後にも必ず行くんだ、と自分自身に誓いました。そして資金の積み立てや一番難しい職場から長い休暇を貰えるように自分なりに色々工夫をしてきました。その結果、その夢が実現することとなったのです。まさに「念ずれば花開く」通りの実現です。
さらに、今回の参加者は、日頃、山へご一緒している気心の知り合った仲間四名でパーティを組んでのことです。そして、期待以上の楽しい体験と感動を得ることができました。
毎日、晴天で4000mの氷河を頂いた山々を見ながらのトレッキングや登山三昧ができたのです。
ヨーロッパアルプスでの高山植物の花盛り、4000mの峰々や氷河のパノラマ、整備されたハイキングコースの仲間四人でのトレッキングなどなど、こんな素晴らしい体験と感動ができるとは、本当に夢のように思います。

2.ブライトホルンへ挑戦

ツエルマットからクライン・マッターホルン行きのロープウェイで2ヶ所乗換え、終点のクライン・マッターホルンに着く。ここ数日寒気が入っている為、登山開始時、雪がちらついていました。
ブライトホルンは北側のツエルマット側から見ると、大きく雪庇が張り出し切れたっている大きな山容です。トレッキングでの至近距離からの眺めは本当に迫力があります。その山頂の南側はなだらかな雪稜になっています。ガスが掛かり山頂への斜面は見えませんがスキー場か先の裾野がうっすら見えています。ルートはここを目指すようです。お天気がよければ名峰のパノラマが望めるけれど、今日は視界が悪く展望の期待はありません。
技術的には難しいところはないようですが、ガイドの速いペースを思うと、前回のモンブランの経験から、不安と恐怖感が沸いてきます。何度も「スロー」「スロー」と声かけをするのですが、一向にその効果はありません。
新雪の雪原を進みブライトホルンの取り付きの3900m地点でアイゼン装着。清岡さんが体調不良を訴えている。昨日ツエルマットに到着し、ガイドとの日程が合わず、翌日登山となったことで高度順応やトレッキングで足慣らしが出来ていないせいもあるようだ。私も行けるところまで頑張ってみようと思いました。
いきなりジクザグの登りを強いられる。やはり4000mを越すと息が荒くなる。大きく胸いっぱいに呼吸し、ガスで見えない山頂をまだかまだかと思い、きつい傾斜を休憩も取ることなく進みました。急に強い風を感じ、頂上からの稜線を確認すると今までの苦しさを忘れてしまいました。ピークに到着したのです。ピークは以外と細長くこれといった目印はありません。
視界が望めないのは残念ですが、4165mのピークを踏み最高の気分でした。左海さんが大変喜んでおられました。喜びをカメラに収め、下山を始めました。ガイドがトップになりガンガン飛ばして降りて行きます。
下山時に疲れが出てきたようで、その影響で高度を下げているのに高度障害が出てきました。足元がふらつき新雪で着地がしっかり出来なくなってきました。後数百メートルの緩い上りのスロープでガイドのペースについていくことが出来ず、ストップをかけました。しかし、もう直ぐそこだからと、ガイドは止まってくれません。この最後の数百メートルの歩行が今回のブライトホルン登頂で、一番苦しく、しんどかったところでした。
ケーブル駅舎で暫く休憩をして体力を回復してからケーブルに乗りました。丁度その時、今までガスに覆われていた山頂が青空をバックにその山容を現しました。その切れたった北側に大きな雪庇を抱いた神々しく輝いているブライトホルンを見て、登頂の感激が一層大きく蘇ってきました。

3.二年後に再びの夢を・・

今回で三大氷壁で有名なヨーロッパアルプスの二つの村を訪れることになりました。このアルプスのスケールの大きさ、素晴らしさを表現することが出来ません。
何処かの国では、自然や風物を世界遺産にすべく躍起になっていることを伝え聞きます。そして、世界遺産の登録がされると、マスコミが大々的に宣伝し当該地域のいたるところに「世界遺産の・・・」との看板が立ち並ぶことになります。
今回、本場のアルプスの真只中で感じたのは、そのようなこととは全く関係のない素晴らしさです。
山を駆け上る登山電車やいたるところに架設されているケーブルなどの人工物が、雄大な自然の中に溶け込み、なんの不自然さや違和感を感じさせなかったことです。
西洋人と日本人との発想の違い、観光が国の大きな収入源であることから村全体の調和のとれた景観のなんと素晴らしいこと、そして観光客のための気配りや仕組みがいたるところに散りばめられていることなど、いろんな勉強ができました。
二年後は、三大氷壁の三番目の村、グリンデルワルトを訪れて、再び新しい感動と体験をしたいと思っています。

いつも氷河の山と共に

北側からのブライトホルン

頂上での疲れた顔

頂上での他のパーティ

下山の他のパーテイ

一瞬晴れた時のブライトホルン

トレッキングルートから

ツェルマットの外れから


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初めての経験  (近藤 記)

関西空港を朝出発して、乗り換え〜翌日のお昼にやっと、ツェルマットに到着です。宿泊するホテル、バーンホップは、駅前で大きなスーツケースとザックの長時間の移動からすぐに、開放してくれました。
今日は、天候が少し悪く小雨で、マッターホルンもガスで霞の中に隠れています。 まぁ〜今日から5日間滞在です。そのうちにね!
荷物を置き早速ツェルマットの町散策に出掛けました。
夕食の予定は、煮込みうどんとサラダ。近くのスーパーマーケットへ行きサラダの材料を購入(トマト・生ハム・チーズ・サラミ)野菜は、一袋に四種類くらいの野菜がカットされていて便利。このサラダは毎朝夕、食卓に並ぶ事になる。
朝はパン(オーブンから焼きたてが)コーヒー・具沢山スープ(じゃがいも・ベーコン・白菜・人参・玉ねぎ・コンソメ味)このメニューは毎朝おいしくてボリュームがあり元気の源となるスープです。
次に、ベーコンチャーハン (玉ねぎ・ニンジン・ベーコン・)醤油味 中華ソバのヤキソバマルタイラーメンを湯で、(キャベツ・ニンジン・豚肉)キャベツは、日本のとは少し違い握りこぶしの大き目で、堅い 次は、カレーこれは、日本から持参 (神戸北野カレー・ご飯)全員これは、美味しいと、好評でした。
次は、ソーメン (みそ汁味・残りのコンソメス−プ)  などなど、食事は充実していました。

*外食はパスタで驚きの値段です!(日本円で約1,800円〜2,000円)
*おしゃれな店でちょっとコーヒーブレイクしました。
大きなショートケーキでした。コーヒーに付いてくるフレッシュがチョコレートの容器になっていてビックリ!(ケーキ約¥800円コーヒー¥400円)
*チーズフォンデュ
本場のチーズフォンデュはフランスパンのみで一人前2,200円でした。
他にチョコレートフォンデュがありこれはフルーツ(りんご・バナナ・ナシなど)をフォンデュするようです。
*ピザ(トマト・マッシュ・ベーコン・オリーブの実・チーズ)
一枚直径25cmくらいあり一人で食べ応えありました。

ホテルのキッチンは、広くて清潔にしてあり、用具も食器揃って使い勝って良く感心しました。色々の国の人たちと、一緒に調理しそれぞれの国の食にふれ、楽しいひと時でした。
*この10日間の食生活はなかなか充実していました。おかげさまで体調を崩すこともなく毎日が登山・トレッキングと、あっという間の10日間でした。
食担、近藤でした。

食事の準備

朝食の献立

チーズフォンデュで打上げ

美味しいピザを


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行動記録

月日 行動タイム 備考
7月9日
月曜日
(1日目)
関空発:LH741便(09:55)、集合:関空8:00、 4Fカウンター付近
フランクフルト着:(15:05)/発:LH3663(16:00)
ジュネーブ着(17:55)
ジュネーブ空港発18:47〜ローザンヌ着:19:46
ローザンヌ宿泊
Alpha-Palmiers(Hotel)
T:+41.21.555.59.99
F:+41.21.555.59.98
7月10日
火曜日
(2日目)
ローザンヌ発8:20〜フィスプ着09:53
フィスプ発10:17〜ツエルマット着11:24
(天候の都合により予定変更) ツエルマット街散策(山岳ミュジアム他)
ガイド協会(7/10ブライトホルンのガイド予約)
ホテル:バーンホッフ
T:+41.27.967.24.06
F:+41.27.967.72.16
曇りのち晴れ(時雨あり)
ガイド:Mr.Lerjen Urs
7月11日
水曜日
(3日目)
ガイド登山
ホテル発:7:00〜ケーブル駅:7:20(7:50ガイド待合せ)
クラインマッターホルン着:8:40〜出発:8:45〜3900m地点
(10:15〜10:270)〜山頂着:11:38/発:11:48〜3900m地点
12:10(アイゼン着脱)〜ケーブル駅着:13:35〜
ツエルマットケーブル駅着14:30
同上ホテル宿泊
登山中ガスで視界ゼロ
午後晴れ
7月12日
木曜日
(4日目)
ゴルナグラートへトレッキング
ホテル発:8:00〜カフェレストラン11:45〜リッフェルアルプ
(12:30〜50)〜リッフェルベルグ13:45〜リッフェルゼー
(14:35〜45)〜ゴルナグラード着:15:50〜登山電車発17:07〜
ツエルマット着:16:35
同上
快晴
7月13日
金曜日
(5日目)
マッターホルン・ヘルリン小屋へトレッキング
ホテル発:8:35〜ケーブル駅:9:10〜シュバルツゼー着:9:30〜
ヘルリン小屋(12:30〜13:55)〜シュバルツゼー着:15:50〜
ツエルマット着:16:35
同上
快晴
7月14日
土曜日
(6日目)
サースフェー小旅行
ツエルマット発:6:08〜シュタルデン発:7:16(バス)〜
サースフェー着:7:54〜ミッツエルアラリン着:10:20〜
サースフェー発:14:45〜ツエルマット着:16:45
同上
快晴
7月15日
日曜日
(7日目)
休息日(自由行動)
ショッピング&パッキング
同上
快晴
7月16日
月曜日
(8日目)
ツエルマット発:6:08〜フィスプ着/発7:24/8:07〜
マルティーニ着/発:8:50/9:43〜シャモニー着11:24
シャモニー発:16:30(特急バス)〜ジュネーブ着:18:00
シャモニ観光:約4時間
ジュネーブ宿泊
Montana(Hotel)
T:;41.22.732.08.40
F:+41.22.738.25.11
快晴
7月17日
火曜日
(9日目)
コルナバァン駅〜空港
ジュネーブ発:LH3663(11:10)〜フランクフルト着:(12:30)
フランクフルト発:LH740(14:00)
機内泊
7月18日
水曜日
(10日目)
関空着:(08:15)  
総費用 航空券:¥200,222(LH便)
交通費:¥43,342(半額スイスカード)
食料費:¥21,109(除く持参日本食)
ホテル代:¥49:880(8泊)  バーンホッフ:184CHF/日
その他:¥2,732  ガイド料:155CHF(\16,000)
総合計:¥317,285
¥333,285(含ガイド料)

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