Home > 山行記録(2007年) > 錫杖岳・1ルンゼ
日程 | 2007年10月13日(前夜発) |
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地域・山域 | 北アルプス・錫杖岳 |
形態 | アルパインクライミング |
メンバー | 福本ひ、佐々木、米原 |
報告 | 米原 |
10/13 | 槍見温泉駐車場出発(7:00)〜取り付き着(8:40)〜登攀開始(9:00)〜終了点(13:30)〜 下降開始(14:00)〜取り付き(16:00) 〜駐車場(17:20) |
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槍見温泉手前にある栃尾温泉の駐車場で仮眠をとる。(トイレもあり快適な場所) 5時に起きて朝食をとった後、槍見温泉の駐車場に向かう。駐車場にとまっている車は、いつもに比べると少なかった。
7時前に、駐車場を出発しいつもの道を取り付きに向かう。錫杖沢出合近くで星田の常連さんに出会う。大阪の山の会に所属されているらしく、クリヤ谷の岩舎に泊まって土日でクライミングすると話していた。
錫杖沢を少しつめた後、岩場基部に向かう小ルンゼをつめるとひょこっと岩場の取り付きに出た。実は、そこが1ルンゼの取り付きの下であったのに、やや左に出たと思いこみ3ルンゼの方まで行ってしまった。戻ってきたら既に2パーティが準備していた。
1、2ピッチを省略するかどうか迷っている間にもう1パーティ増えてしまい、時間的なことも考えて省略することにした。少し左方カンテ方向に戻ると、3ピッチめの取り付きに向かうバンドが見つかったので慎重に登る。
【3ピッチ/福本リード】
やや幅の広いスラブで、どこがルートがわかりにくい。ピンも1本目は確認できるが、それより上は見えなかった。登り始めは、すこし傾斜もあり緊張する。
【4ピッチ/佐々木・米原】
V級のピッチなので、セカンドで登った2人がそのまま同時に登っていく。
【5ピッチ/米原リード】
このルートもどこを登っていいかわかりづらい。ルート図を見るとやや右を登っているので右側を登る。ピンも下からは1本め以降は確認できず、探しながら慎重に登る。終了近くの左へ少しトラバースするところがいやらしかった。
【6ピッチ/佐々木リード】
凹角を少し登ると大テラスに着き、ビレーの支点もあるので一旦きることにする。この上が核心となる。
見上げると上部がハングになっているルートが左右にあり、両方ともべったり濡れている。しかも左側はピンが確認できない。そうこうしている内に後続パーティに追いつかれたので先に行ってもらう。
トップの男性が右側のルンゼを登りハングを左へ横切るが、岩が濡れていることもあり、かなり時間がかかっている。おまけに核心を抜けた後、上部のテラスから相当な距離転落してきた。
一瞬、事故発生により登攀中止かと思った。どうもハーケンが抜けたらしい。幸い怪我もなく登り始めたが、今までスピーディに登ってきた人が苦労して登る姿と転落を目の当たりにして登攀意欲が一気に減退してしまった。セカンドの女性も同じように時間がかかっているが彼女がテラスに着く頃、佐々木さんは登攀の意思を固めていたようだ。
下で2人が見守る中それほど時間もかからずアブミを巧みに使って核心を抜けていった。セカンドの二人もアブミ持参していたので前のパーティのように苦労することはなかった。ハングの核心部分は短い距離でピンが打たれていた。結局、後続の2パーティはこのルートを登らず1ルンゼの左側のルートを登っていた。
【7ピッチ/米原リード】
左に少しトラバースして、カンテ左のフェースを登るが途中でピンが前方にみえなくなり不安になる。周囲をみると左の壁にビレー点があり、間違ったのかと思い2.3歩クライムダウンしてみたが、それ以上降りれなくなり諦めて再度登りだす。思いきって登ると上方にハーケンが見えたので、それをめざして登ると左上方にビレーポイントが見えたので左上する。
【8ピッチ/福本リード】
凹角の中を登り上部が少しハング状になっている。やや下の取り付きから右側にもルートがあり(チムニー)後続の2パーティはそちらを登っていた。終了点につき、やっと緊張もほぐれ始めて行動食を口にした。
その後の懸垂下降も不安定なピンが多いので緊張を強いられた。他のパーティは、すべて歩いて下山していたようだ。全体の印象として下からピンが確認できない所が多くルートがわかりづらいのと不安定なピンもいくつかあり気持ち悪かった。
今回、初見のルートで久々に緊張感で口の中がカラカラになった。核心のピッチでは、米原・福本二人とも一時は降りたい気分になったが佐々木さんの勇気ある決断で無事登攀できました。感謝・感謝です。
1ルンゼ全景
3P取り付き
3P
6P
6P
8P
終了点からの景色
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