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三の峰  〜白山・美濃禅定道を歩く〜

日程 2008年11月8日〜9日
地域・山域 白山
形態 ハイキング
メンバー 池田、辻、高岡、近藤、伊藤、清岡
報告 清岡

ルート/タイム

11/8 高岡宅発(8:30)〜石徹白登山口(11:50)〜出発(12:30)〜神鳩避難小屋(14:20)
総歩行時間:2時間30(休憩含む)
11/9 避難小屋発(6:50)〜銚子ケ峰(6:50)〜一の峰(7:40)〜二の峰(8:20)〜三の峰(8:50/9:30)〜神鳩避難小屋〜登山口(13:30)
総歩行時間:7時間40(休憩含む)

11月8日(土)

白山は三大山岳霊場(富士・立山)の一つである。この霊場へ登拝する禅定道が加賀、越前ならびに美濃から続いている。
今回、歩いたのは美濃禅定道の一部です。資料によると、この美濃禅定道は白鳥町長滝を起点として石徹白を経て別山からの南尾根を縦走して白山に至るルートで、泰澄大師が開いた古い信仰の道とある。
このコースは、5〜6年前から毎年、前夜発で途中避難小屋に一泊して別山まで縦走する計画を立案してきたが、毎回、天候に阻まれ残念してきた因縁のコースである。
今回は、当日朝の出発であり参加メンバーの体調などを考えて、石徹白登山口から銚子ケ峰(1810m)を経て一の峰、二の峰、三の峰(2128m)の約9キロを往復することにする。
今回も前日からの雨でまたもや中止かと心配していたが、白山周辺の予報をみて何とか登山ができると判断して思いきって決行することにした。奈良を出る時は小雨模様であったが現地に近付くにつれて雨もやみ、二日間、曇り空であったが雨も降らず展望もよく初冬の静かな山行を十分楽しむことができました。
東海北陸自動車道の白鳥インターで降り158号線を少し北に走り、前谷の集落から左折して985mの檜峠へ前谷川を囲こむ山間の九十九折りの坂道を走っている時、峠までの山腹で見たスケールが大きく多彩な紅葉の壮観に一同は悲鳴を上げた。記憶にあるトップクラスの紅葉と比べても決して引けをとらない。
峠を越えてから、さらに十数キロ石徹白川沿いの紅葉の林道を進んで登山口に着く。途中、白山古道の標識が所どころで目につき山岳霊場へお参りしていた頃に思いを馳せる。
駐車場、吾妻屋、トイレ、水場などが完備した明るく広い登山口である。白山登山道入口、白山・美濃禅定道19km(白山迄)という大きな標識が立っている。そこから420段の石の階段と石畳みの登山道が始まる。
420階段を登りきった広い所に特別天然記念物「いとしろ大杉」が泰然と座している。樹齢約1800年、幹回り13m、樹高25mとある。
今日の行程は、約2時間、標高差約600mで時間的な余裕や避難小屋泊りの気楽さもありマイペースで歩き出す。このあたりの紅葉も素晴らしい。唐松林の黄色がひときわ色鮮やかである。「おたけり坂」と標識がある胸突き八丁の急坂が5~60mあったりするが、全般的には、ナラ、ブナなどの自然林に囲まれたなだらかで広い整備された登山道が神鳩避難小屋辺りまで続く。
15人収容できるとある避難小屋は立派である。石油ストーブ、若干の毛布類、その他テントやいろんな非常品が完備している。勿論、きれいなトイレもついている。水場は100mほど下るが涸れることがない豊富な水量だ。
4時頃から宴会となる。今までに何回も話題にでた話で盛り上がり、マスターしていない会歌を歌ったりするが時間が余ってしかたがない。6時過ぎから一人二人と疲れたようにシュラーフに入り大合唱となる。

11月9日(日)

翌朝4時過ぎに起床して5時半ごろには出発の準備が出来上がる。しかし、空が白んでくるのを待ち5時50分にヘットランプを点けて出発する。
母御石のあたりですっかり夜が明ける。曇り空であるが眼下に石徹白の集落やら遠くの山々の稜線まで展望は良好である。
銚子ケ峰((1610m)の山頂に着くと、眼前に、まだらに雪を張った大きな別山の山容が目に飛び込み視界が更に開けてくる。遠くに北アの白い山並みが、シンボルの槍も、そして乗鞍、更に南に大きく御岳山が雲海の中にポツリと。近くには、荒島岳、大長山、赤兎山や経ケ岳など登った山や知っている山の稜線を指呼して確認する。これも展望がいい時の山の楽しみだ。
この先の縦走路の一の峰から三の峰の稜線がはっきり手に取るように見えている。しかし、峰と峰は一旦、標高を50〜100m下がり更に一段高い峰へと登っていくので今までとは勝手が違う。三の峰に着く辺りでは残雪があり氷結に近い状態である。2128mの三の峰の頂上に来ると、一段と別山が大きくなり、その左に真っ白に冠雪した白山の主峰の御前峰や剣が峰などが見える。風がないがさすが二千メートルの山頂は寒い。
三の峰の手前にあるこれまた立派な避難小屋に入り、T氏がサーブしてくれたコーヒー、生姜湯、ティーで暖をとり行動食を食べて30分の長めの休憩をとる。
その後、来たルートを引き返し、神鳩避難小屋に置いていった装備類などをパッキングして、小屋への雪の吹き込みを防止用する板をはめ込み下山した。
初冬のハイキングであるため高山植物などは興味の対象外であったが、早春から初夏にかけてこの縦走道は豊富な高山植物で彩られるだろうと推測できる。いたる所にニッコウキスゲ、キキョウや枯れ姿からは識別できない高山植物のドライフラワーが、またコイワカガミやショウジョバカマの生えているのがたくさんあるのに気づいた。
素晴らしい展望と高山植物の豊富なこのコースをベストシーズンに再訪したいものだ。

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檜峠への山腹の紅葉(1)

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檜峠への山腹の紅葉(2)

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登山口付近

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いとしろ大杉をバックに

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登山道を歩く

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神鳩避難小屋

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尾根筋の霧氷

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三の峰にて(別山を背景に)

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唐松林の紅葉


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