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笠ヶ岳

日程 2009年9月5日(前夜発)〜6日
地域・山域 北アルプス
メンバー 清岡、高岡、チョット岳、近藤、伊藤
報告 伊藤

ルート/タイム

9/4 高岡宅駐車場出発(20:30)〜新穂岳温泉駐車場着(1:30)
9/5 駐車場発(5:40)〜登山口(6:15)〜クリア谷徒渉(7:05)〜水場(9:20)〜雷鳥岩(13:00)〜
頂上 (15:10/16:15)〜笠ヶ岳小屋(16:30)
9/6 笠ヶ岳発(3:50)〜笠新道分岐(4:55)〜弓折岳(8:00)〜双六岳分岐(8:00)〜鏡平小屋(8:55)〜
わさび小屋 (12:00)〜新穂高温泉林道ゲート前(12:30)〜出発(13:00)〜高岡宅駐車場(18:30)

 

笠が岳の計画は数年前に予定し、新穂高温泉でテント泊していたにもかかわらず、天候に恵まれず中止になったことがあります。今回は、二日間文句のない天候に恵まれ私にとって久しぶりに素晴らしい山行となりました。しかし、メンバー全員がピークハント出来なかったことが残念です。
登山は歩くことに楽しみがあると思っています。北アルプスでも急登の笠新道のコースを外し、直登することの少ないロングコースのクリヤ谷コースを登ってみてはとT氏より勧められました。参加メンバーに体力的違いがあっても同じように楽しめるのではないかと思いこの計画にしました。そして、下山は弓折岳から鏡平を経由するコースをとりました。

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9月5日(土)

標高約1000mの中尾温泉の登山口から登り出しました。槍見温泉旅館の横を通った時に遥か向こうに槍の穂先が少し見えているのを見て、この宿の名前の由来がなるほどと思いました。今日は、9時間の長いコースです。久しぶりの山行でメンバーに着いて行けるのかと心配しながら、いつもよりスローなペースで歩き始めました。
樹林帯のジグザグの露岩がある登山道でしたが、暫く進むと平坦な歩きやすいトラバース道になり、これを繰り返しながら、1時間歩き10分の休憩をとるペースで進みました。
約2時間ぐらい経つと、左上方に錫杖岳の岩塊が迫ってきました。クライミングしている様子は見えませんでしたが、合図の声が聞こえてきました。集会のときに錫杖岳にクライミングに行くの話を聞いたことを思い出し、なんだか身近に感じました。
途中、水場で2回水を飲み、タオルを濡らし汗を拭いたりしながら比較的スローペースだったのですが、K嬢は久しぶりの山行であり調子が悪かったようです。少しでもと荷物を分担したりしましたが、11:30頃、大腿部に痙攣と痛みが起こりました。標高2000mを少し過ぎた半分位のとこでしたので、後半の険しい尾根筋のことを考え、自ら下山を決断されました。単身の下山を申し出られたのでしたが、T氏より自分がエスコートして降りるとの潔い申し出があり下山してくださいました。どうしたらよいかと困っていた矢先の、T氏の山男の優しい心配りに感謝せざるを得ません。パーティが分かれたのは非常に残念でしたが、最善の対応をすることができたと思います。
ピークハント組の3名は少しペースを上げました。雷鳥岩のところまで来ると、ガスが切れ、帽子をかぶったようになっている特徴的な頂上と急な岩稜線が見えてきました。13:00時の交信ではお互いの状況が確認でき、順調に下山していることがわかり安心しました。そして、そこで、昼食と同時にチョット岳さんが持参してくださったコーヒーをいただきました。登りの苦しい中、なんと美味しいコーヒーだったことか。体力も回復し、後は一気に500m稜線を登り15:10にピークを踏みました。
穂高連峰に時々雲がかかるがほぼ快晴。無風、Tシャツでも寒くない。乗鞍岳、焼岳、西穂から槍が岳への稜線、その向こうに鷲羽岳の眺めが。K氏とチョット岳さんは三週間前に登った読売新道の赤牛岳の稜線を見て、思い出に花を咲かせてシャッターを切っておられる。残念ながら水晶岳は背後になり見えない。あっという間に山頂での一時間が過ぎ、宿泊の手続きやら乾杯をするために小屋に急ぐことにしました。

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錫杖岳の岩峰

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笠が岳の頂上にて

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北穂高から西穂高岳の稜線


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9月6日(日)

翌日は、下山を待っている二人のことを考えて出来るだけ早く下山するようにと早朝3:50に小屋を出発。昨夜からの満月が、笠が岳の頂上より少し西によった天空で輝いていました。
5時半ごろから東側の槍が岳から西穂高の稜線のシルエットが一段と濃くなって、その上の空が赤く染まってきました。日の出少し前の美しく感動的な瞬間です。振り返ってみると笠が岳の上部はうっすらと日が照りはじめ、その上に、満月が白く輝いています。
快晴、無風、2700mの稜線で、このような瞬間に出くわすことができ、本当に幸せだと思いました。やがて、日が射しシルエットが消えいつもの山容に変わっていきました。
鏡池では、池に映った槍が岳、大咬岳、中岳の写真に撮りました。昨夜はきっと多くのカメラマンがいたことだろうと、数年前この地に訪れた思い出が頭をよぎりました。その後、待っていてくれている二人に早く会うようにガンガンと先を急ぎました。二人は、新穂高温泉の林道のゲートのところで、車を止めて迎えてくれました。そして、温かいミルクティを差し出してくださいました。
登山中は、K氏とチョット岳さんとの上品な会話を始終耳にする笑いの多い山行でした。そして、メンバーの暖かい気持に感動した、感謝一杯の山行となりました。

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夜明け前の槍が岳のシルエット

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朝日に照らされた笠が岳

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鏡平池に映った槍が岳


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