Home > 山行記録(2010年) > 伯耆大山

伯耆大山

日程 2010年1月24日(前夜発)
地域・山域 鳥取
形態 ハイキング
メンバー 伊藤、チョット岳、清岡
報告 清岡

ルート/タイム

1/23 奈良発(18:30)〜(阪奈/近畿/中国)〜蒜山高原S.A.(21:40)仮眠
1/24 SA発(5:10)〜登山口駐車場(5:45/6:10)〜6合目避難小屋(7:52)〜山頂(8:50/9:10)〜6合目避難小屋(9:40/10:00)〜下山(11:10)〜帰奈良(3:40)

1月23日(土)〜24日(日)

大山冬山登山は随分前から冬の定番登山となっている。しかし、余り良い天気に恵まれてない。日本海に面した独立峰で冬のその気象の影響をもろに受けるからだろう。
今回も心配していた週末の天気が高気圧に覆われる予報に好転してきている。ドライブしながら天空に輝いている半月や星空を確認して、S氏は「明日はエエ天気や」と信じて疑わない独り言を何回も。
予定より早く約3時間で仮眠予定の蒜山高原SAに着く。この辺りまで来るとSAも週末であるのに閑散としている。売店では中年夫婦が食事をしている以外誰もいない。店員に聞くと食堂と売店は10時にシヤッターをしめ朝の7時再びオープンするが、その間は広い食堂スペースは自由に使用可能とのこと。
S氏はそのスペースで寝ることに決める。それに同調してK氏も。誰もいない食堂でささやかに缶ビールで乾杯して、早速就寝する。10時過ぎだった。一晩中、BGMが流れたり、時々、休憩で休みにくる人の気配などあるが暖房がきいて快適な仮眠場所だ。ただし、シュラーフに入り4〜50センチ幅のベンチから落ちないようにする芸当が必要であるが。
翌朝、大山寺橋の駐車所に5:45に着く。風もなく寒くもない。上空に星が見えている。ヘットランプでアイゼンを装着しないまま夏道を登っていく。早朝の冷え込みで雪面は堅いがダブルステッキで滑ることはない。太いブナ林の大木が時々照らされ雪面に黒い影を落とすのが静寂な気分を醸し出す。歩いているのはわれわれのグループだけだ。
3合目辺りから白みだし夜が明けてくる。急登が続きブナ林の間を縫うように高度上げていく。1300mの標識の辺りでアイゼンを装着。ブナの枝先の霧氷がだんだん大きくなっていく。元谷の向こうに昨秋踏んだ、三鈷峰の先鋭的なピークが日に照らされている。ユートピア避難小屋なども見えている。そんな景色を楽しみながら樹林帯を抜けると6合目の避難小屋に着いた。暫く、積雪がなかったのか避難小屋が雪に埋もれずい立っている。
ここからがいよいよ尾根筋の急登になる。ここまでくると上部の状況が大分見えてくる。快晴の期待と裏腹に尾根筋の上部は濃いガスが掛かっている。先発のパーティが登って行くのが霞んで見えている。振り返ると、上部の様子とは対照的に、広い平野に朝日がさしていて、遠くに美保の松原の海岸線の弓形がきれいに見えている。下界は快晴の日和なのだ。
慎重に高度を上げていくと今まで吹いていなかった風がだんだん強くなってくる。稜線を登りきった8合目に掛かると北西の風が急に強くなる。ベストと防寒コートを着てフードを被り歩くが、背後からの強風の風圧を受け身体が軽く感じるぐらいだ。やがて夏道の雪のついた木道にでてその上を進む。視界は2〜30メートルもないようだ。
山頂の手前にある山頂避難小屋に着くが、防寒具を被っつているあいだに先行したS氏の姿が見当たらない。頂上へ行っているのだと思いそのままI嬢と頂上へ。しかし、S氏の姿がない。オ〜イと呼ぶも応答がない。視界は更に悪くなってきている。小屋の横を通った時に入口付近に数人いた中にS氏がいたのではないかと思い引き返すが姿がない。一瞬変な予感が掠めたその時、小屋の中からS氏の声がかかり、ホットする。3人で再び頂上で記念撮影をしてそのまま休まずに下山することにした。
6合目の避難小屋まで降りてきて風もほとんど当たらない状況に安堵する。
そこで内炭さんの6人のグループに会い状況交換と健闘のエールを交わす。そこからの下山は目の保養のオンパレード。頂上の期待はずれを癒すのに十分なものがあった。
下山して大山寺橋から山頂の状況を確認するとまだガスが強風に流されていていたが、ガスが雲散霧消するのは時間の問題だと思われた。
帰り途、西側のビューポイントから、真っ青な空をバックに神々しい積雪の雄大な大山の、まさに伯耆富士の姿を見た時は、信じられない感動をした。
下山時に挨拶を交わした多くの登山者の喜びの気持ちが伝わってくるようであった。

P1240008s.jpg(32075 byte)

霧氷の中を行く

P1240010s.jpg(19875 byte)

美保の松原の海岸線(境港)

P1240013s.jpg(15041 byte)

大山の頂上で(濃いガスの中で)

P1240021s.jpg(21992 byte)

六合目の避難小屋で

P1240031s.jpg(17987 byte)

神々しい大山の雄姿

P1240081s.jpg(25299 byte)

昨秋ピークを踏んだ三鈷峰


ページの先頭へ


Home > 山行記録(2010年) > 伯耆大山

Copyright(c) 奈良山岳会 All rights reserved.